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店舗売却のコツ

2017/9/24

売却の仲介を誰に頼むべきか

いくつか選択肢があると思います。ネットでは居抜き物件専門の仲介サイトもありますし、知人のつてを辿るということもできるでしょう。しかし一番良いのは、その道に精通している人間にお願いすることです。ズバリ、店に出入りしている業者の営業さんです。彼らはあなたの店のライバル店にも営業をしているわけです。当然、業界のことに詳しく、他店の懐事情も良く知っています。

またもう一つ、営業さんに頼むべき理由があります。あなたの店がそのまま閉店してしまうと、営業さんとしては、お得意様をひとつ失ってしまうからので、熱心に探してくれるはずです。この意味は大きいと思います。さて、実際に紹介をお願いした場合、希望金額など条件を聞かれると思いますが、別の章でもご説明させて頂いたとおり、あまり高い金額を提示しないことです。また店舗面積や賃料などの物件概要や、売上や来客数などのデータも添える必要があると思います。

賃料の交渉の仲介を行う

もう1つ、あなたの店がスムーズに売却できる秘訣をお教えします。それは賃料交渉の仲介を行うことです。新しく引き継ぐ方は、少しでも賃料などの固定経費がかからない方が良いと思うはずです。ですからダメ元でも良いので、先方が購入に意欲を示したら、新しい借主のために賃料の値下げ交渉を行いましょう。

家主様側とすれば、今のテナント(あなた)に出ていかれたら、その翌月からの賃料収入が途絶えるわけです。また自然損耗分の内装工事費用の負担もあります。仮に賃料30万の物件の場合、家主様とすれば賃料を3万円安くしても3ヶ月も空き物件になってしまうよりも良いと思うはずです。
(賃料3万円値引×30ヶ月=月額賃料30万円×3ヶ月空き状態)

いかがでしょうか。現状よりも賃料が安くなるのであれば、店舗を買う側としては大きな魅力と映るはずです。売却はよりスムーズに進むことでしょう。

スタッフの再雇用

スタッフの問題も考える必要があると思います。閉店が決まった店でスタッフに対して熱心に頑張れというのも酷なものです。しかし閉店作業を自分ひとりでこなすのも体力的、精神的に厳しいと思います。今まで頑張ってきたスタッフが職を失う状況になるというのも、あなたにとっては大変心苦しい問題ですよね。そこで、もし店舗の売却が決まるようであれば、新しいオーナーにスタッフの再雇用をお願いするのが良いと思います。

新オーナーにとっても、店の状態がわかっているスタッフがいることは心強いことです。適正も見なければいけないので、面接は必須になると思いますが、スタッフの収入が途切れないようにするためにも再雇用のお願いをするべきです。私の場合、店舗をいままで買う側でもあり、売る側でもありました。ですから、このような場面が何度もあります。前オーナーから預かったスタッフは、いま私の店で中核として働いています。逆に手放した店に勤務していたスタッフは、いまでもその店が頑張っているのです。

ただし立地条件が良い店を買うときは注意していました。立地が良いのに店を手放すということは、現場のスタッフに大きな問題があると考えていたからです。その場合はスタッフの総入れ替えをすぐに考えました。しかし、事業とは収益とまた別に、社会貢献性を問われるものです。雇用を産むことは大きな社会貢献となります。大事なスタッフの将来をまず考えてみてください。店舗を手放すときにこそオーナーの理念が問われるものだと思います。

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